ソーラー・シェアリングは営農型太陽光発電ともいい、文字通り太陽光のエネルギーを発電と農業でシェア(共有)するものです。具体的には「田や畑、果樹園などで農業を行いながら、その農地の上、3m~3.5mの高さに太陽光発電を設置するもので、農作物の売り上げに太陽光発電による売電収入が加わることで、農家の所得向上に貢献(一般社団法人営農型太陽光発電普及協議会)」するものです。

当法人の運営する「おばら未来ファーム」では、収入の確保を目指すだけでなく、作ったエネルギーを農業そのものにも活用して、農地の管理や苗の育成からご家庭で消費されるまで、できるだけカーボンフリー(脱炭素)で、持続可能な農業を目指します。

太陽光発電システム

農地の上であれば、太陽光発電のために、新たに森林の伐採などの開発をする必要がありません。農地法上も工作物の収穫量を落とさない構造であれば、支柱部分だけの農地から産業用地への転用によって、発電施設の設置が可能です。

「おばら未来ファーム」では、運営する農地内の約1200平方mの用地上に、71本の杭と300枚の太陽電池パネルを設置しています。南北に間を開けて伸びるパネルは、互い違いに東西に傾斜があり1日の発電効率を高めています。パネルによる太陽光の遮蔽率は、約40%弱で、パネル下の作物にも60%の太陽光が届く設計になっています。そのために栽培する作物は、比較的日陰を好むものに向いていて、ブルーベリーはこの条件に適しているといわれています。

農地上空に太陽光パネル設置

2019年4月 完成した発電所 支柱の面積分が農地からの転用となる

電力網との連系

太陽光パネルでできた直流電流は、パワーコンディショナー(パワコン)で、交流200Vに変換されて、電力会社の送電網に接続して供給します。これを連系と言います。2019年4月26日より連系が始まり、送電を開始しました。リアルタイムな発電量等は通信機能で、スマホからいつでもどこでも確認できます。災害時など停電中も、パワコンからは自立運転と言って、家庭用の100Vの電力を取り出して使用することもできます。

営農のためのパネル下の準備

パネル下には、ブルーベリーの鉢と自動潅水システムを設置するために、防草シートを敷き詰めることにしました。農作業で最も手のかかる除草作業を軽減し、除草剤などの農薬を極力使用しない環境を作る役割もします。

自動潅水システムについて

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